| ザ・コンビニ 33 ピンポーン。 パジャマ姿の若い女性がご来店。 ピンク地に水玉模様のパジャマに、栗色のストレートヘア。 高校生か大学生くらいだろうか。 眠たそうに目を擦りながら、とぼとぼとおぼつかない足取りで店内を歩き始めた。 せめてジャージに着替えるとか、軽いカーディガンを羽織るだとかしないのだろうか。 もしかしたら近所過ぎて、細かな配慮は不要という考えなのかも。 しかし、近所で深夜に利用する人の顔はある程度は覚えているし、土地柄、近隣にご新規さんが越してくることはあまりない。 パジャマのみで訪れる客もいないことはないけれど、私は恥ずかしいので絶対にできない。 私の財政難では人に見せられるパジャマなど買えないからである。 実家から持ってきたパジャマは汚れやすいので、汚れてもいい中学高校のジャージで済ませているし。 思えばここ数ヶ月、パジャマを着ていない。 日々の貧乏性からか、着るのがもったいない気がするのだ。 昔はパジャマを着ることに抵抗を感じるなんてまず有り得ないことだったのに。 このままでいいのだろうか、私。 …パジャマ一つで何を悩んでいるのだろうか、私。 女性はフラフラしながらも商品の物色を終え、一つの商品を持ってカウンターに置いた。 『貧乏戦隊カネネンジャー 激突バトルフィギュア(ラムネ入り)』 「525円になります」 女性は千円札を出し、おつりを返し、退店した。 きっと、まだ夢を見ているんだと思う。 Back | ザ・コンビニ 34 |