| ザ・コンビニ 5 ピンポーン。 白と緑のボーダー柄でヨレヨレなポロシャツ、くたびれたジーンズ、長めで整髪が行き届いていない髪、剃り残しだらけのヒゲ。 顔立ちからして歳はいっていないと思うけれど、おっさんくさい、と言われても言い返せなさそうな風貌の男性が訪れた。 ニート? プー太郎? でも、疲れていそうなところを見ると、ちゃんと働いているみたいだけれど。 入店するなり雑誌コーナーに向かい、デジタル商品を紹介する雑誌を立ち読み始めた。 う〜ん…。 彼女いない歴=年齢、だな…。 しばらく立ち読みしていた男性は、時折私の視線を気にしてこちらを見ていた。 確かに見ている私も悪いけど、別に立ち読みを注意できる立場にないし、気になるなら立ち読みしなければいいのに…。 居心地悪くなったのか、男性は店内をウロウロ、電化製品コーナーやアイスクリームコーナーを巡り、最後に天ぷら弁当とペットボトルの緑茶を持ってカウンターに置いた。 「お弁当あたためますか?」 「あ、…いいです」 袋に冷たいままのお弁当とペットボトルを入れ、精算を終えた男性は退店していった。 さて、そろそろ掃除でも― ピンポーン。 白と緑のボーダー柄で…あれ? 「あの」 「はい?」 「―やっぱり、あっためてもらえますか」 照れくさそうに袋を差し出して、男性は言った。 一瞬、ポカーンとしてしまったけれど。 少し笑ってしまったけれど。 断る理由もないので、快諾した。 おもしろい人だなぁ。 Back | ザ・コンビニ 6 |