続・千夏の夏を最後まで読んでくださった希有な皆様。
おはようございます、こんにちは、こんばんは。
駄文乱文稚拙文をここまで読んでもらえて感涙しております、作者かもしれないレートです。
まさかまた、こんなあとがきを書く日が来るとはちょっとだけしか思っていませんでした。
後記からあとがきに名前を替えて(中身は全然変わっていませんけれども)再び
惨状参上です。
ボクも成長致しまして、前作の後記ほどのおバカさんな文章は書けませんのでご了承下さい。
最後まで読み切ってお疲れかと思いますが、今しばらくご辛抱して頂いて、
レートのマニアパワーまっしぐらな猥談にお付き合いしていただければ幸いです。
さて、本作が前作『千夏の夏』の続編だということは言わずもがなですね。
…え? 知らずに読んでた?
ま、まぁまぁ、続編から最初に読むというのもおもしろいですよね。
前作の傍若無人な設定から、どうにかこうにか完結にまで漕ぎ付くことができました。
夏場がメインの小説を冬場に書き終えるたぁどういう了見でしょうねこの作者。
途中で作者がキレて舞台設定を外宇宙に変更してしまわないかと毎回ヒヤヒヤしていましたが。
多少設定を都合良く捻じ曲げたのはヒミツです。
処女作だったこともあってやたら一話が短かったり、
後先考えぬシナリオ構成に今の作者が昔の作者に激怒していたり、
こんなん書いた覚えないんだけどーとボヤいたり、
そんな前作を引き継いでしまった本作は、非常に難易度の高いものとなってしまいました。
それもまた良い経験だとは思うのですが。
前作を書き終えてすぐに第一話を書き始めたので、2001年の秋頃だったと思います。
このままじゃいつになっても完結しねーなと思いながら、
2004年の8月にはひと月に4話も書き上げてしまったりと猛攻かけたりもしました。
第一話から最終話まで3年近くも掛かってしまいました。あぁ、長かった。
これだけ長い期間書いているとやっぱり文体も変わるもので、
(長編マンガの1巻と最終巻で全然絵柄が違うのと似ていますね)
時には前に書いたことと設定がちぐはぐになって焦って書き直したこともありました。
その時その時のドタン場で考えてキーボードを叩いているので、めっちゃボロが出ます。
失敗する毎に成長していくんだよなぁ、と自分ライクに解釈することにしました。
本作執筆の間、様々な小説に触れました。と言ってもほとんど電撃文庫なのですが、
特に影響を受けたのが『イリヤの空、UFOの夏』でした。
途中から文体が怪しくなってきた原因の大半はこの本です。
この本を手にしていてもいなくてもボクの文章は稚拙でダメダメですが、
自己満足的な面で言えば、この影響は良い影響だったのかなーと思う次第なのです。
本作よりも数倍おもしろい作品なので、書店で見かけたらダッシュでレジに叩き込んでくださいね。
書くことがないからってついうっかり人様の文庫の宣伝なんぞしてしまいましたが、
そんじゃさっさと行きますか。恒例の、いつもの、うっかりやっちゃったアレを。
話数別とかテーマ別とか面倒なので、読み返しながら気になったポイントを洗いざらい
懺悔していきたいと思います。ザンギエフ。懺悔エフ。
地蔵の汚れ落とし
最初で千夏が秋人にやっていたタオル磨きです。決して秋人が地蔵なわけではありません。
書いている当時めっちゃめちゃ暑くて、あーこんなことしてもらえたら気持ちよくて嬉しいなーと思って
書いてしまいました。あーやってもらいてー。
「フロンガス反対~…」
学校で習った直後だったので、つい。
かずよちゃん
別に誰を基にしたわけでもなく、完全な思い付きで捏造したちびっこキャラクターです。
千夏と正反対のおとなしい女の子とどんなお話しをするのか、自分でもちょっとたのしみでした。
…名前だけには只ならぬ思い入れがあるんですが、ヒミツです。
ジュース
願わくばそれがQooオレンジであることを願う。
夏みかんのキーホルダー
今読み返していて、あぁ、そんなのもあったなぁと思い出しました。
前作とのつながりを見せるためのネタ爆弾だったんですが、
何か他にも仕込みを入れておけばおもしろかったのかも、と今さらながら。
大学
この設定は正直、無茶だと思いました。東大中退なんてのはザラですけども、
なんかこう、もっとスムーズなやり方はなかったのかなーと試行錯誤してしまったり。
ムチャクチャな設定をしてしまった昔の自分が悪いので自業自得ですが。
森の奥が光ったような…
うわぁぁぁあ、こんな布石置くんじゃなかったよー(つД`)
当時はもっとSFチックな構想がありまして、途中で頓挫してしまった残骸の一です。
ネタバレしてしまいますと、この光、
外宇宙に持っていく予定でした。
あの人……まさか、な…
うわぁぁぁあ、こんな布石も置くんじゃなかったよー(つД`)
当時はもっとドンデン返しな構想がありまして、途中で頓挫してしまった残骸の二です。
ネタバレしてしまいますと、前作に一話だけしか出てこなかった吉牛の木下 美紀さんです。
いきなり田舎の吉牛に異動させられて―みたいな展開を考えていたんですが、
こんなド田舎に吉牛は有り得ないだろ、ということでいつの間にか消えちゃってました。
「あれ? キュウリは?」「なかったから抜き」
キュウリが入った冷やし中華が大嫌いな作者。
フリフリパジャマ
ごめんなさい、図に乗っていました。
いってらっしゃいの云々
どうしても仕込みたかったネタだったのです。時期尚早だったかなとも思うのですが、
こういうのは早いも遅いも関係ないんですよね。…そうですよね? ね?
ありがとさんやの老人
田舎ムードの代表者に選ばれた輝かしき本作初のご老人ですパチパチパチ。
なかなかナイスなボケっぷりが今でも素敵に輝きを放っています。
ゲートボールの腕もなかなかなのですが、最近はギックリで寝込んでいるのだとか。
…近況報告?
am10:00~pm6:00
さすがに閉店時間早すぎだろ、と十手百手のツッコミを受けまくった話の一つです。
今考えると19時閉店でもよかったかなーと思うのですが、なんとしても18時閉店にするために
色々と難癖つけ込みまくりました故に、営業時間はこのままが一番いいのかもしれません。
どうして18時閉店にしたのかと申しますれば、早く帰らないと千夏が飢え死にしちゃうからです。
『トマト"で"サラダ』
店長に"変わったセンスを持つ人"なイメージを持たせたかったのですけど、
ホントに変なところでしか話を持っていけなかったから"変なセンスを持つ人"になってしまいました。
ズドドドドド
こんなお出迎えされてみたい、と思えるのは最初だけだろうな、と現実主義な小説作家。
寝起き千夏
いつもは髪を結っているので、夜のお風呂から朝のシャワーまでの間は髪を解いています。
ただでさえ寝起きはテンションが低いのに、落ち着きのあるセミロングの髪がそこに加わると
本当に千夏かと疑りたくなるほど風貌が化けます。これもまたいいもんなんですけど。
てるてる坊主
そういえばそんなものもあったなぁ、とぼんやり考えていたらいつの間にかシナリオに入れてしまいました。
やっぱりてるてる坊主はへのへのもへじに限るのです。
2mmになっちまう
2mmには熱い情熱を感じます。
「三浦においしいかき氷屋さんがあるんだって」
読み返していてビックリ仰天しました。こんなこと、書いた覚えが全くなかったのです。
そういえばこれがきっかけで後にかき氷屋に行くことになったのですが、本編では偶然見つけたような
展開になっていまして、あの店がそーなんじゃないかみたいな話を入れるべきでした。失策です…。
直立するドザエモン
想像しただけで夜も眠れません。
「アメの栄治さ」
なんでこんなトコで格好付けさせたんだかわかりませんが、格好良いですねぇ兄貴。
マンガによく出てくる棒つきのうずまきアメを差し出して、歯がキラーンと光るんです。うおぅ。
キセル王
実在するのなら、ぜひ兄貴を弟子入りさせてやって下さい。作者からのお願いです。
「ごめんなさーい、予約済みなんです」
軽くトンチをきかせてドラマみたいなセリフを入れてみようと思ったプランその一です。
結構お気に入りのセリフなので、その後の三人の反応もまとめて好きです。
今時楽器ナシで音が出せないと
当時はボイスパーカッションが大流行していました。
杉本 栄治
本作一番の問題児でありダークホースであり大穴でありやたら格好良い人です。
千夏の兄貴らしいイケイケな性格で、バンドメンな設定もそれに合わせてこさえたものです。
存在そのものが杉本の家柄に対するアンチテーゼでありながら、本人の自由奔放な性格が
それを感じさせないために、良い意味で気取らない、悪い意味で浮いちゃってる人。
千夏と同性の同年代には琴美さんがいますけど、秋人にはそれがいなかったので
その穴埋め的な存在でもあってシナリオ的にも作者的にもすごく便利なイケメンお兄さんでした。
ボーカルの腕までは考えていませんが、それなりにうまいんじゃないかなーと思います。
ちなみに、音楽ジャンルも考えていないので自主規制ということで。ヴィジュアル系ではないですよー!
本作では数少ないレッカマンに通ずる人間でもあります。
浴衣姿
前作から溜めていたお話しだったので、やっと書けたーって感じです。
前作は夏なのにろくに花火も祭も書けなかったので、この第七話で一気に消化できました。
何より浴衣姿の千夏がかわいーのなんのってもー。
ぶっちゃけコロッと忘れてた。
作者も忘れてました。
何だかよくわからないかわいい動物キャラ
短絡的にピカチュウをイメージしていただければ結構です。
第八話
一部ではネタ切れで千夏の一人称を持ってきたんじゃないかというもっぱらの噂ですが、その通りです。
でも、千夏の一人称はこれっきりにして、もう絶対にやらないと誓いました。
ほら、やっぱり秋人くん同性ですし、慣れてる分書きやすいのですよ。
何かの都合で溜めてしまったのか
これも一応布石のはずだったのですが、なんだかんだでお流れしてしまいました。
井野口さん
千夏側版の店長みたいな存在です。とてもやさしい親切な近所のおばあちゃんなのです。
じつは色々な特技をたくさん持っていますが、それを自慢せずに謙虚な一人暮らしをしています。
ひょんなことで若い千夏と仲良くなったのが嬉しくって、最近はいつ来るかないつ来るかなと
心躍らせながら(大げさですが)待ちわびているそうです。
レジ打ち
このシーン、資料集めにすっごく苦労したので印象に残っています。
人生で初めて業務用レジスターのホームページに走ったりもしましたね。
レジ打ちのバイト経験があればもっと精巧にシーン描写できたんですけどねぇ。
佐波さん
紫キャベツのパーマヘアーをイメージしていただければ結構です。
第九話
まさか本当にシナリオに組み込んでしまうとは思ってなかった衝撃の一話でございますー。
第二の千夏と呼ばれる琴美さんとの浮気デートを、想像からついに実現させてしまったのです!
千夏がほとんど出てこないのは数話ありましたが、千夏がいるはずの位置に他の女性がいるという
今までの作品では考えられない展開に持っていけて書きながら大興奮していました。
その最高潮が、あのアニメショップだったのです。
レッカマン
魔法少女エナメルやらプラズマファイターやら数々のアニメ作品を好き放題放出させていただきました。
念のために書いておきますが、アレらの作品は全て架空の物ですので信用してはいけませーん!
これぞまさにレートワールドの真骨頂ですよ、えぇ全く意味不明な展開で作者も困惑しています。
レッカマン自体は烈火の炎ですが、レッカマンブレードはまさしく確信犯でした。
前作でさんざん使い込んだし、ここまでやっちまっても構いませんよね? ね?
イメージ画像もあることにはあるのですけど、そこはぜひご自身で検索してみて下さい。
…もちろん『レッカマンブレード』では出ませんよ?
なお、レッカマンコミックスは作中でも大好評継続中。まだまだ続きます。
Love Rubber
なんでこんなものを書いてしまったんだろう、と後で後悔させられた、
ハイテンション故の事故から生まれた洋画です。内容も支離滅裂でひどい脚本ですが、
知り合いには「プロと同じ手法やったな」と言われました。嬉しくも悲しくもありません。
ロイスとヘレンのその後が気になる方は、ぜひご自身で検索… え、これは出ない?
激辛悶絶! ハバネロ&青とうがらしチップス
彼は暴君よりも凶悪です。
かき氷屋のおばちゃん
イメージは実家の祖母です。よろよろしてすっごく頼りなさそうだし、声も小人みたいに高くて
本当に店を切り盛りできているんだろーかと心配になってしまうキャラクター、なんとか書けました。
井野口さんとカブらないように努力してみたんですけど、どんなもんでしょ?
もしプリンシロップを発見しましたらぜひ作者にご連絡下さい。氷を差し上げます。
Σ(´△`;;
Σ(´△`;;
バレーボール
「文体が違ェ、なんじゃこりゃ」と十手百手もツッコまれた、かなりお気に入りのワンシーンなのです。
前々から秋人くんにバレーボールをやらせたいという野望がありまして、ついについに実現しました。
設定を捻じ曲げて勝手に元バレー部員に仕立て上げました。
試合を書いている時は文章も作者もめきめき熱くなっていましたね。
ぶっちゃけまして、今まで書いてきたどのシーンよりも白熱しておもしろたのしかったです。
謎の必殺スパイクを今度はぜひこの目で見てみたいものです。
「もっかいッ」
このセリフを千夏に言わせるために第十話があるようなものです(えっ上の話と矛盾してる?)。
恐らく本作の中で一番のお気に入りフレーズだと思います。
言われてみたいぜー。
第十一話
遊べたのは最初だけ、途中からシリアス路線に変わってからは非常に辛かったです書き手として。
少ないながらも駄文を嗜んできた作者ですけども、こんなに数多くの心理描写を綴ったのは初めてでした。
そういう面ではとても勉強になった大切な一話なのですが、もうこんなしんどいのは書きたくないです…。
杉本家
こちらさんもまた、大して深い設定をこさえているわけではありません。
ただ漠然とした金持ち感というか巨大企業感をやんわりとお伝えしてみようかなと思いまして。
あえて大それた表現は使わず、杉本の家柄だとか血だとかで書き表してみました。
実際どんな規模かも考えていませんので、皆さんのご想像にお任せします。
最初はこんなに厳しい家柄で、おっきな規模にする予定はなかったんだけどなぁ…
父親と母親
千夏の両親を指します。母親は静香さんですが、父親の名前は明かされずじまいです。
お互いが一緒になっていい感じのバランスを取れてる夫婦です。
母親が何故あんなにも娘の恋路に対してヒステリックになるのか、そのルーツに関しては
もうボクの手ではカバーし切れません。お手数かけますが、昔の作者に訊ねてください。
意外に結構な美人さんという設定ですが、作中でそれを語るわけにはいきませんよね。ウン。
会社ではかなり重要な役職に就いているらしいですね。…アバウトなのは作者の仕様です。
父親はさすが、といった感じにさっさと出てきてズバッと言ってさっさと帰ってしまいました。
病気で床に伏しているのは前作でも語りましたが、娘のために躍起になってご登場です。
別に母親が夫に頭が上がらないとかではなくて、対等な立場で正確無比な正論を諭されて
納得せざるを得なかったのです。
病気のせいもあってか父親はもういい歳をしています。細かい年齢を書くと後々設定に響いて
また墓穴を掘りそうなので、だいたい50過ぎだと思っていてくだされば結構です。
あのワンシーンだけでは判断が難しいでしょうけど、実際はとてもやさしいお父さんやってます。
会社では敏腕サラリーマンをやったり会長をやったりしていますが、家に帰ればやさしいお父さんです。
千夏も本当は、両親のことが大好きなのです。
店長
最後まで名前が出てきませんでした、もりのなかのレストランの偉大なる店長さんです。
作者も書きながら笑ってしまうほど気の良い人で、こんな人が都会にいたらまず狙われるだろうなぁ。
常に着用している釣り用のベストですが、何か布石があったはずなんです、えーとえーと…。
絵画の腕はプロ並ですけども、今は絵よりも料理に携わっている方が好きなんだそうです。
で、作中で一切描写されなかった店長の料理に関するお話しなのですが。
ズバリ"秋人と同じくらい"です。
…ようするに、文章だけでは二人の料理の腕は伝え切れないということです。
三浦町在住で一人暮らし、嫁さんは作中にも書いた通りすでにお亡くなりになっています。
二人が現役で働いている頃を再現して書いてみるのもおもしろそうですね。
斉藤 琴美
最後までスリーサイズは明かされませんでした、もりのなかのレストランの紅一点ウェイトレスさんです。
設定こそ秋人より2つ上の22歳ですが、作中では完ッ璧に秋人よりも年下な感じに仕立てています。
そういう仕様の方がおもしろくなるかなと思ったのですが、本当に書いてておもしろかったです。
第二の千夏と呼ばれる(勝手に呼んでる)ほど千夏とそっくりなのは、イメージしやすいように
したかったからなのです。ほら、浮気デートもしましたし、構想練りやすかったし、かわいかったし。
お気付きになった方もいらっしゃるでしょうか、琴美さんはファッションにも気を遣っています。
慣れない女性用の服の名前をネットで調べて、その種類の多さに打ち負かされたあの日…。
本当に合っているのか不安になって、母親の通販カタログと格闘していたあの頃…。
それらも全て秋人の気を惹きたいが…だったのですが、残念ながらあのような結果に。
大丈夫だ琴美さん、あなたは女性としての素質を十二分に持っている。
秋人なんぞスパッと諦めて他の男に乗り換えてしまえばいいのさ!
…ご家族は両親と三人暮らし。兄弟はいません。両親はカケオチなので祖父母も同居していません。
この両親というヤツも一回作中に登場させてみたかったんですけども、タイミングを逃してしまいました。
作者の中の父親のイメージは紛れもなく"海賊"なのでやや問題ありすぎなのですが、気にしません。
沢口 秋人
言わずと知れた本作の主人公であり、千夏の"ダンナ"でございます。
年齢20歳、身長体重血液型不明、誕生日は7月18日、好きな食べ物はレッカマンカレー。
嫌いなものはミッキーマウス。嫌いな音楽はミッキーマウス。嫌いな食べ物はミッキーマウス。
不明といっても単に作者が考えていないだけで、決して、断じて『宇宙からの物体X』ではありません。
一人称小説ではこの男と一番付き合いが長いのですが、書いている本人ですらこの男の正体が
未だに理解できていません。ふてぶてしいのかと思ったらいきなりおのろけモードになったりしますし。
まぁ、そんなよくわからないだらだら熱血漢なところがおもしろくてここまで書けたのですけれども。
前作に引き続いて千夏が大好きで、至る所で好き好き光線を放っている怪しい人です。
仕事場では陰気なペースランナーで、店長や琴美さんにわっしょいわっしょいされまくりです。
話によれば"まずまずのイケメン"らしいです。ナンパされても嫌な感じではないそうですけども、
実際に本人がナンパしたら間違いなく失敗、それどころか逆ギレされてビンタでもされてしまいそうです。
最終局面では弱気ながらも果敢に敵に挑んでみせました。よっ、男の中の男!
とは千夏の声。
趣味は料理とレッカマンで、ソファに寝転がりながらのレッカマン読書が最高なんだとか。
そうそう、語り忘れていました。秋人の料理の腕。先の店長で軽く触れていたのですが、
肝心な話をしていなかったのです。…というわけで、
もりのなかのレストラン 秋人雇用の真実
店先に貼られていたシェフ募集の紙を見て何の気なしに試験を受けてみた秋人が、
店長の二つ返事であっという間に採用決定した驚きのワンシーンについてお話しせねばなりません。
まず、秋人は本当に調理師免許を持っていません。本当です。作中でも語っていましたが、
そんなものを取る暇も金もないのです。というか、どこで取ればいいんでしょうね?(作者の声)
で、シェフ募集のチラシを出した動機と言いますれば、最近店長も腰が痛み始めて、
さすがに立ちっぱなしの調理師業が辛くなってきてしまったのです。
最初は我慢していましたが、日増しに腰痛がひどくなってついに耐えられなくなり―ってなわけです。
もちろん、なじみの客にいきなり違う味をお出しするのは失礼なので、後継者というか、
この店の味を忠実に再現してくれる志豊かな若者を求めていたところ、秋人がやってきました。
面接云々よりもシェフには腕が大事だということで初っ端から料理のテストをやらされて、
いざ試食をしてみたら、これまたびっくり、自分の若い頃の味とそっくりだったのです!
そういうわけでトントン拍子に即採用、明日から来て欲しい、となったわけです。
…ごめんなさい、ご都合主義の懺悔エフでした。
杉本 千夏
言わずと知れた本作のヒロインであり、秋人の"おくさん"です。
年齢20歳、身長142cm体重不詳血液型A、誕生日は7月19日、好きな食べ物はたーくさん。
とにかく天真爛漫で明るくてキャピキャピでしっかり屋でかわいい元気っこ。
やること為すことリアクションがかわいくて、書いていて全く飽きさせません。
左手に傷を負っているにも関わらずそれを隠さず、常に前向きに生きていこうとする姿勢に心打たれます。
こう見えて学歴はすごいのです。良いトコの一貫私立中高に通って、大学は東大中退なのです。
本人も勉強は好きなので、合理的な箱入り娘になってしまっていたわけです。
運動神経も良くて、特にソフトボールをやらせたら右に出る者はまずいません。
花嫁修業もしましたが、唯一料理だけはどんな専門家でもサジを投げたくなるほどダメなんだそうです。
一度、本格的に改善しようとマンツーマンで料理教室を開きましたが、
電子レンジとジャーとコンロとまな板と包丁を完膚無きまでにダメにして出来上がったのが、
粉末状の黄色いクッキーでした。
好きなものは秋人ことキート。他に好きなのはいーっぱいあるけれど、一番好きなのはキート。
四六時中そばにいて、せっかく公認の仲になったのだから、あんなことやこんなことを
明くる日も明くる日もしていたいんだとか。うわぁ、おのろけ過ぎて目が痛い。
どこが好きかと申しますれば、外見もあるのでしょうけど、やっぱり千夏が見ているのは中身でしょう。
長い付き合いということもありますし、それだけ気の合う性格なんだと思います。
本当にキート以外の男には目がないらしく、数え切れないほどの告白をぶった切った英雄として
高校では軽い伝説にもなっているんだとか。『小さな破断魔女』とかなんとか…。
ちなみに、千夏はその気さくな性格から、友達も数多くいます。
携帯電話を持っていないので頻繁に交遊したりはしませんが、学校ではなかなかの人気者でした。
電話代がもったいないのでたまーにですが、今でも連絡を取り合っている親友は多くいるそうです。
パートも始めたので、実家からの資金援助がない現在、副収入としてがんばっています。
あ、そうだ、琴美さんの方だけ書いてしまうと偏ってしまうので、千夏もファッションを気にかけています。
普段はTシャツ1枚に八分丈のカジュアルパンツ。部屋着と軽い余所行きを兼ねています。
薄着が好きなのですけども、そのまま秋人に突撃すると秋人がドキドキしてしまうので困っています。
あぁ、長々と書いてしまいました。
あとがきまで最後まで読んでくださって、本当に感謝感謝でおでこが潰れます。
もう書きたいことは上でほぼ全て書きました。
というか、これ以上書いてしまうと中毒を起こしてしまいそうなので自粛します。
書き終えた感想を一つ、書いておきましょう。
…うーん。素直な気持ちで言えば、達成感とさびしさ、ですね。
3年以上に渡って終わらない終わらないと言いながら書き綴ってきた作品ですから。
終わらない中にいて、色々とシナリオを考えることがとてもたのしかったです。
完結を迎えたことで執筆の縛りからは解放されました。
しかし、それは同時に作品を創り上げるたのしみも失ってしまうことなのです。
どんな内容にしようかな、どんなキャラを登場させようかな、数々の試行錯誤を繰り返しました。
それが出来なくなってしまうのだと思うと、まるで日常にポッカリ穴が空いてしまったような気分になります。
今こうして、あとがきを書いている段階では全く実感が湧きません。
…そっか。もう、これが最後なんだよなぁ。
プリチーランボーな千夏が暴れ回っていた日々は、今日という冬の日で幕を閉じるのです。
しかし。
作者の頭の中ではいつも、プリチーランボーは暴れ続けています。
そして、そんな千夏に振り回されながらも充実感に溢れている秋人も、そこにいます。
彼ら二人に終わりはありません。
小説の枠を飛び出して、今もどこかで暴れ回っていることでしょう。ドカドカと。
…あ。
忘れてた。
えー、本作のテーマは『日常』 こっそり出てきたサブテーマは『全て』です。
あとがきの最後の最後にテーマを書き出すなんて、やっぱりこの作者はアバオアクーです。
どうということのない日常をこれからも、そんな二人の思いが貫かれるまでのドキュメンタリーノベルです。
正直言って取って付けたような解説ですけども、いいんです、勝手気ままに書いたんですから。
思いつくまま、好きなように書き殴る。小説作家はこれだからやめられません。
次回作? これっぽっちも考えていません。
だってまだ冬があるんですから。ラジオもあるんですから。置き逃げするわけにはいきません。
でも、可能性はゼロじゃないんです。そうですよね、秋人?
「―諦めるな作者。可能性はゼロではない。もしかしたら、レッカマンが助けに来てくれるかもしれないぞ」
…著作権に触れそうなので、レッカマンには来てもらわない方がいいみたいです。
そういうわけで、今度は冬の執筆に勤しむことにします。
あっちはあっちで色々と、まだまだ考えなくちゃいけないことが山ほどありますからね。
またこのようなレートワールドの中で、皆様と文字を通してお逢いできることを祈っております。
(´Д`)ノシ
2005年1月1日 作者 レート
# 加筆。
# この作品は、一日刻みで物語が進んでいくリアルタイムノベルです。
# 第一話から最終話までの九日間の出来事が綴られております。
# 第一話と第二話、第四話と第五話、第十一話と最終話は二話で一日の計算です。
# 出来事の断片を綴っていく一般的な小説とは異なっているのが特徴です。
# これもまた、本作だからこそ成し遂げられたのかなと思います。