ピンポーン。
 人生にくたびれた感じのおよそ四十代の女性がやってきた。
 店内を回って、袋入りの飴と缶コーヒーを持ってカウンターに置いた。
 小計を終えて支払い金額を言うと、女性は財布からお金を取り出し始めた。
 「あら」
 その手がピタッと止まって、
 「やっぱりいいです」
 お店を出て行った。
 マ、マジっすか…。
 せめて商品くらい戻してください!