あなたは御存知だろうか。スクウェアから発売された超人気ロールプレイングゲーム「ファイナルファンタジー10(以下FF10)」を。もはやRPG界はこれ無くしては語れないという程の人気を誇り、その認知度は計り知れないものがある。プレイステーション2所持者の1/3がFF10を持っている、と考える。ボク自身も友人から借りてプレイ済み。細かいコメントについてはこちらをどうぞ。
さて、ここからが本題である。「FF10」には数種類のミニゲームがあり、その中でも際立っているのが「ブリッツボール」である。内容はキャプテン翼に似ているらしいのだが、残念ながらプレイした事はない。内容はいたって簡単、早く言えば水中サッカーだ。手でも使え~の脚でも使え~の頭でも使え~の、はたまたタックル等の妨害や、眠らせたり毒を与えさせたりもできるのだ。水中にいるため常にプカプカと浮いており、重量下では実現できないようなパフォーマンスを魅せてくれる(もっともこのゲームでは水中でなくとも摩訶不思議なパフォーマンスをするが)。ボクもついつい時間を忘れて没頭してしまう程の中毒さで、これ自体をシンプルシリーズで発売してもいいのではないかと思わされる。
…ここで一つ、疑問に思うだろう。水中で動き続けて呼吸が続くのだろうか。これはもはやプレイヤー全員が疑問に思うはずだ。登場人物は服装こそ違うものの人間と同じ容姿で、しっかりと呼吸もしているはずだ。なのに何故長時間水中で活動する事が可能なのか。肺活量訓練…したとしても三分も呼吸できる訳がない。他の方法も考え付かず、プレイヤーはその問いについて答えのないままストーリーを進めていき、いつしかシーモアやエボン=ジュを倒していった。
そんなある日の出来事だった。ボクはとある友人の家に遊びに行った。何気なく本棚を見つめていると、見覚えのない分厚く重量感に満ちた本を二冊発見した。そう、「FF10アルティマニア」だ。これでも一応FF10をかじっている身、内容は気になる。それとなくページを読み進め、辿り着いたコーナーは制作者インタビュー。ここ最近自分でも気付き始めたのだが、この手のゲームクリエイターのインタビューを読んでいる事が好きだったりする。もちろんトクトクと読み進め、少しの笑いや納得事も混じりつつページをめくっていった。するとどうであろう、ボクは目を疑った。そこはブリッツボールについてのコメント。そこで水中呼吸について語られていたのだが、その内容は信じ難いものがあった。内容からするにFF10の登場キャラクターは皆水中で呼吸ができるらしい。そんなバカな、と正直に思った。だがこれはゲームの世界、有り得ない話ではない。そう思うと急に納得してしまったのも不思議だ。
さらに数日後、上記と同じ友人の家にまた遊びに行った。何気なくゲーム棚を見ていると、そこには見慣れないパッケージのゲームがあった。そう、「FF10インターナショナル」だ。音声が全て日本語から英語になっており、内容も著しく変化している。FF10購入者の半数が購入したのではないだろうか。そして、ゲームに同梱されていたオマケディスクを起動させ、噂の「永遠のナギ節」を拝見した。これはFF10終了後のアナザーストーリー的なもの。…冒頭から数分で驚くべきシーンが始まった。ゲームのヒロイン「ユウナ」、なんと水中で息止め訓練をしているではないか。おかしい、これでは話が噛み合わない。この世界では人は水中で呼吸できるはずではなかったのか。それなのに何故ユウナは息止めの訓練をし、息苦しくなって息継ぎをするのか。そもそもこの世界に息継ぎなど存在しないのではないのか。どういう事なのだろう、これは。エヴァンゲリオンよりも単純かつとても不可解な謎である。プロデューサーに直接問いただしてみたいものだ。
かく言うボクは水泳は苦手であり、FF10自体はあまり好きではない。FF10そのものはおもしろいのだが、それはゲームとしてであり、FFシリーズとしては納得できない。FF8よりはマシか。