ボクは、カルーアミルクが大好きです。
彼との出会いは、まだ未成年だった高校生の冬、カラオケボックスだった。
―かるーあみるく?
―なにそれ?
試しに呑んでみたそれは、言ってしまえばコーヒー牛乳であったが、アルコールの有無だけでここまで変わるものか、と感動したことを今でも克明に覚えている。チャイナブルーが大変マズかったことも、克明に覚えている。
それ以来、呑み会など事ある毎にカルーアミルクを呑み続けているボクは、これまた事ある毎に友人や先輩に、まるでシグネチャの如く同じことを言われるのだ。
「それ、ジュースでしょ?」
確かにジュースです。正直、紛れもないジュースです。というかコーヒー牛乳です。
甘ったるいし、アルコールもさほど強くない。風呂上りにクイッと飲めそうな勢いです。
かといって実際のアルコールが軽いわけでもないし、この強烈な甘みがアルコール度に加勢することだってあるのですが、それでもやはり、カルーアミルクに向けられる視線は“ジュース”なのです。
…でも。
でもです。
ボクは、言いたい。
アルコールの入ったコーヒー牛乳など、そう簡単に呑めたものではないのだ。
裾野を広げて申し訳ないが、この世にはカルーアを筆頭に、数多のリキュールが存在する。
ココナッツリキュール、チョコレートリキュール、フルーツリキュール――。
そこでボクは、問いたい。
こんな変わり種のジュースが、他にあるか?
リキュールとしてのそれ以外に、それらからアルコールを抜いたバージョン、ジュースバージョンがあるだろうか。
そう。
へんてこリキュールほど、色々な味を楽しめるお酒、否、飲み物はないんです。
そう、確かにジュースだ。
でも、こんなに多種多様なジュースは、スーパーじゃそうは買えない。
ジュースであって、ジュースでない。
だからボクは、なんと言われようが、カルーアミルクを呑み続けます。
ブレンドリキュールの素晴らしさを、単なる“ジュースだろ”で片付けられるような物ではないことを、世に知らしめるために…!
嗚呼。
梅酒サイコー!