部屋とYシャツとコラム - ザ・ビビり屋

人には誰だって怖いものがある。

それは可視物でも不可視物でも、何にでも存在する。

幽霊。高所。蛇。ジャイアン。ジェットコースター。借金の取り立て。

その形は様々である。

ここに、一人の男がいる。

名をレートと言い、管理職をしている(ニュアンスに注意)。

レートは思い立ったが吉日とばかりにこうして駄文を書き始めた。

ふと、キーボードを打つ手を見る。

続けて手首を見る。

手首と言えば脈を計る時に指を当てることで有名だ。

その、脈を計る部分の上に、体毛が生えている。

男なら当然のことだ。

またふと、その体毛が気になって、指で摘んで抜こうとする。

しかし、そこでレートの動きが止まった。

例え話ではあるが、

もし、

もしもだ、

この脈の上の毛を抜いて、

まるで栓が抜けたかのように毛の抜けた毛穴から脈の血が噴き出したら。

それもスポン、と。

そう考えると、もう二度と脈と体毛を一緒に連想しようなどとは考えたくなくなるのだ。

これもビビり屋の運命。