部屋とYシャツとコラム - ヤベェぞ、最近のケータイ

近頃のケータイは非常にハイスペックになっている。高速通信当たり前、カメラは3メガピクセル、ムービーも撮れる、ラジオだって聴ける、地図もリアルタイムに動いてナビしてくれる、さらには音楽だって聴けるようになった。メールと電話ができりゃ凄かった昔では考えられない豊富な機能が搭載されるようになったのですね。

だがしかぁし! それをケータイの進化と呼ぶのはまっことお門違いであるっ! ユーザーが本気で求めている性能とは何か、求めているデザインとは何なのか、それを今の端末メーカーはちーっとも分かっちゃいない!大切なことを忘れてしまっているのだ。天空を目指すならまず地を固めるべきだのに、恋は盲目とでも言わんばかりに日々間違った進化を模索している。そう考えるとまさに資材の無駄である。今回、その愚かな進化で犠牲になった性能の一端を紹介しよう。

コラム第四弾「テメェらポケベル入力にしろや!」でも記した通り、ボクことレートはポケベル入力で文字を打っています。機種はF503i、何不自由のない快適な文字入力です(長音記号がハイフンな以外は)。でも、2001年1月に発売された本機、さすがに古くてボロいといった印象は拭えません。一時は機種変更も考えました。しかしある日、その考えは霧散した灰の如く消滅しました。それは、友人のA5304Tをいじっていた時のことです。F503iでしかポケベル入力をしたことがなかったため、興味本位でA5304Tでのポケベル入力を試してみました。するとどうだ、全く追いついてこないではないか。「おはようございます」と入力したはずが「お!いわむ」などと意味不明な文章に化ける異常事態。タイプミスも有り得るので何度も試しましたがほぼ同じ結果に。これはどうしたことか。進化しているはずのケータイが、これでは退化ではないか。他のいくつかのケータイでも試してみました。W21SA、W11K、A5401CA、P506iC…。全てボクのポケベル入力にはついてきませんでした。機種によって導入されている予測変換を解除しても五十歩百歩。おかしい。間違っている。様々な機能を取り入れているクセに、肝心の文字入力のレスポンス速度が低下しているなんて、絶対に間違っている。文字入力なんて大昔からある基本中の基本ではないか。システム改良が限界まで達してから他の性能を強化するのなら解るが、なぜ文字入力の精度を落としてまで新機能の導入を急ぐのだろうか? 開発側の意図が全くもって理解不能だ。文字入力に関する便利な機能を盛り込みたいのなら、それをオフにすることでレスポンス速度を従来通りに戻せるよう尽力すべきだ。新機能のおかげで基本性能が下がるのなら、そんなものはハナから無用なのだ。新機能導入に焦ったってしょうがないじゃないか。大事なのは基礎であり、目新しい新要素ではない。その心得を念頭に置いて、開発側には十分に理解してもらいたい。そして一言、端末メーカーに言わせてもらいたい。

ヤベェぞ、最近のケータイ。

2004年9月19日 レート