この小説は、筆者の偉大なる妄想によって生み出されました。
もとい、偉大なるOL萌えによって生み出されました。
お久しぶりです、レートです。
彼女を視姦するシーンなどそれはもう筆が走りまくりで、まさに物書き冥利に尽きると――
え、最初からクライマックス過ぎですかそうですか。
この物語を思い付いたきっかけは、他でもない、老若男女誰もが覚えのあるであろう『あったらいいな』の妄想です。
普段は絶対にお関わりを持てない高嶺の花、もとい高嶺のOLが、ベロンベロンになって絡んできて、よろしく爛れた関係になれたら。
すでにAVレベルですが、それを世間の人様にもお読みいただけるよう、文字通り『書き下ろした』のが今作となります。
元々、文書化するつもりはサラサラなかったのですが、健全な展開のまま構想を練っていくと、これがまた意外におもしろくなっていってしまって。
悪ふざけが過ぎた、と思っていただければ。
だから開き直ってあんなドイヒーなスケベを書くことができたのでしょう。
まぁこれくらい今時のライトノベルに比べたらかすりもしませんがねー(えっへん)。
色々と語りたいことは天保山ほどありますが、一つだけ、自分を褒めさせて上げてください。
名無し主人公達成! うおー!
主人公の名前にまつわるギミックといえば、有名どころではハルヒがあります、というかそれが影響元です。
しかしあちらは本名不明で一貫してあだ名のみが呼称される形で、どんなものであれ主人公に名前はあったのです。
主人公を指す呼称がない、というのは思いの外しんどいもので、今作も一話読み切りだからこそ達成できたもので、普通じゃやりたくありません絶対。
主人公の名無し目標は、実は執筆中に思い付きました。
元々構想の薄い作品なのでなんでもあり、というのはボクの全作品に該当しますが。
練っておいた構想は大枠だけで、細部までは全く考えておらず、やろうとすれば彼女もネームレスにできました。
『彼』と『彼女』という呼称を多用している内、あれ、この二人名前なくてもいけるんじゃね、と思い付いたのです。
さすがに彼女の苗字は物語のキーワードになっているので外せませんでしたが、『彼』は『彼』のまま、終えることができました。
ただ妄想を文字に起こしているだけではおもしろくないし、物書きとして伸びる要素のない、ただのタイピングマニアになってしまいますから。
今後も様々な独自制約を設けて、物書きとしてのスキルを高められればと思います。
この作品のタイトル『酔いどれ電光石火』は、いいですか、心して聞いてください。
完全に、語呂です。
妄想ばかり先行してタイトルを考えていなくて、最初に思い付いたのは無難も無難な『おとなりさん』でした。
ああこれじゃつまんねえ! 『ザ・コンビニ』みたいでつまんねえ!と思って色々考えて、
物語の最重要ポイントである『酔っ払い』と、日常に『突如』舞い込んできた非日常。
それら二文字の類語を脳内検索しまくって、当てはめては取っ替えて、このタイトルを思い付いた時、その素晴らしい語呂に一瞬で魅了された、というわけ。
なので、タイトルに思い入れはあっても特に深い意味はありません。
久々にあとがきに何を書いたらいいのかわからなくて、『ザ・コンビニ』のあとがきを参考に書いているんですが、よくそんな書くことあったね四年前のオレ、さすが妄想だけの作品はペラい。あとエロい。
作風に影響を受けたのは、『小説家の作り方』の野﨑まど氏。
愉快回しを一部参考にさせていただきました。
というか、最近あまり小説を数読まなくなってしまって、読んだら即ミーハー……というのは過言ですが、影響されやすいのは事実です。
あとこれは、影響を受けたというには曖昧な話ですが、妙ちくりんな文章回しをしてみよう、と思いました、『電波女と青春男』の影響で。
アニメを見ただけで原作も読まず影響されたとは言えませんが、なんというか、あんな自由奔放でいいんだな、と思った時に、変な言い回しをしてみるのもおもしろいかな、と。
きっと原作ではこんな風に若干斜め上な言い回しをしているんだろうな、と。
これは原作に対する、入間ニンゲン氏に対する期待でもあります、彼の作品はまだ読んだことがありません。
しかしベースの書き方はどの作品の影響か、こうして三人称を書いてみると、随分とガールシッターと似通ったものだと思いました。
どんなに意識しても、書き手の癖は出てしまうものだと実感した。
その中でも特に強く意識したのは、『読点の乱用』です。
彼の辿々しい口調を再現するには読点を使いまくるしかない!と信じてそこかしこに。
その影響でこの作品には読点が非常に多いです。
冬シリーズに三点リーダが多いように。
時に読み手に違和感を与えてしまうくらい、やり過ぎなくらいがちょうどいいだろうと。
彼のように、思い切ることも大事だと学びました。
ああ、もう一つ、制約を忘れていました。
『会話文を連続させない』。
これもまた、書きながら思い付いたものです。
本当にただの制約で、特定の意図をもってやったものではありません。
ただ、副次的な要素として、会話の一つ一つに重きを置く、という意味合いが込められています。
それは読点で終わる会話文も例外でなく、文学において極めて重要な『間』の表現を示すものとして強調しています。
もちろん後から取って付けた理由です。
彼は、非常に書きやすかった。
彼女は、書きづらかった。
ボクの作品上、彼は最も“こちら側に近い”人間です。
喋り方から性格から、手に取るように操れて、彼の言動をイメージするのは大変容易でした。
彼女は書きづらい、というのには複数の要因があります。
一つは、この作品だけに限らず、少なくともボクのどの作品でも、ヒロインというのは最も目立つ存在ということ。
その一挙手一投足で読み手のヒロイン像を容易く動かしてしまうのですから、思い入れが強いほど、適格に正確に、イメージを具現化せねばならんのです。
そういったプレッシャーが、筆を重くするのが原因の一つ。
もう一つは、まぁ、“こちら側ではない”からなのですが。
彼女を憧れの女性として書こうとした時、さて、憧れの女性ってどんな言動をするのかな、と物の見事に無知の壁にぶち当たるのですオーケイ?
その書きづらさ故に彼女は難産でしたが、思い入れはその分、ひとしおでした。
……鳥嶋は、あの究極チョイ役具合がマジベストマストなので猛烈大好きです。
そして、マジごめん、すみません、ゴメンナサイ、申し訳ない、サーセン。
こんなに長くするつもり、なかったんです…。
ガールシッターが120KB超というバカみたいな記録を作ってしまって、これに懲りて文章の圧縮を図ろうと画策し、
今回その実践編において、序盤はかなり良いペースだったんです、この調子ならデカくても80KBくらいで収まるぞ!
…それがなにをどうしたら、ガールシッターに迫る110KBに到達してしまったのでしょう。
自分の先見力のなさにダブルライジングカラミティタイタンをキメたい。
ガールシッターは構想が広がりすぎて大きくなってしまったものでしたが、こちらは垂れ流しすぎたのかしらん…。
実はこの作品は当初、彼女の一度目の「うん」にて完結する予定でした。
妄想自体は二度目の「うん」まで出来上がっていましたが、この先は冗長かな、と思っていました。
でもいざ書いてみるといかんせん消化不良で、こりゃあ最後まで書かなあかん、と加筆に走った次第です。
容量がグイグイ増えてしまったのもそのせいかもしれません、いやそのせいです。
おかげで、満足のいく仕上がりになりました。
言葉は稚拙でも、書き上げなければいけない物語がある。のです。
そういえば、執筆中、驚いたことがありました。
パスタ専門店のシーンに差し掛かった時、店の脳内デザインを決める際に、ヨーロッパ様式で参考になるサイトはないか検索してみたら、それは素敵なヨーロッパ調の二階建てアパートがヒットしたのです。
へぇこりゃあいい、筆者が住みたいくらい、構造も彼のマンションそっくりだしなんだか偶然だなぁ、どこにあるんだろう、
…いや、こりゃビックリした。
何を隠そう、この物語の仮のモデル都市であるところの『稲毛』だったのです。
こんな偶然ってば、あら、まぁ…。
ちなみに稲毛にはまっっったく思い入れはありません。し、どんな街かも知りません。
実在都市をモデルにするの流行ってるから中途半端に日和ってみようという思い付きで。
ベッドタウンといえば千葉だな! 千葉ならどこでいいや!
そうしてGoogle Mapにて偶然マウスが乗ったのが稲毛だった、というだけ。
…ツッコミは鈍器ではなくメールでお願いします。
ただ、ストリートビューで見た稲毛の駅前の様子は、構想にとても近いベッドタウンの様相で、嬉しかった。
さぁもう書くことはないだろう、というわけで定番となりました、今作のテーマについて。
メインテーマは『非日常』。
サブテーマは『OL・年上・エロ』です。
なんかサブテーマがいっぱいある気がしますが、一つです。
とにもかくにも、事なかれ主義の彼の平坦なだらかな生活をブチ破壊するために仕立て上げたテーマです。
毎日毎日家と学校を往復して、キーボードを叩くばかりだった彼の足下に、突如あんなエロいものを投下したら。
考えただけでおもしろい。
書いてみたらもっとおもしろい。
エロは美学です。
…冗談ですが、冗談でもないです。
最初は、年上のお姉さんに対する憧れでもいい。
小学校の女性教諭をお母さんと呼んでしまうような、そんなんでもいい。
恋愛感情の発露というのは、人それぞれなのです。
この世は男と女、それだけなのだから。
男と女が共にすれば、できないことは何もない。
この調子でガールシッターとラジオも書き進められれば良いのですが、なにせ尋常ではない遅筆なもので、『ON AIR!』の#04を公開したのもちょうど一年前の七月でしたし、年イチ執筆になりかねません。
このままこの情熱と、走る筆が止まらないことを祈りたい。
読者の皆様には申し訳ありませんが、どうか生暖かい目で見守っていただければ幸いです。
ちなみにこの作品は、『っていうか正義が勝つ』以来の読み切り作品で、初のあとがき付き読み切り作品となりました。
第四世代デザインとしても初めてのあとがきです。
最後になりますが…。
もし、道すがら、酔い潰れた女性を見かけたら。
率先して介抱してあげてください。
――十中八九、厄介事に巻き込まれます。
それでは、また。
2011年7月24日 レート #アナログ放送終了とともに